2024年、時代のターニングポイント。第二の創業 飛躍期

マクロの話。

先日、動物のひき逃げ男が書類送検されたニュースがありました。勿論、飛んでもない行為。但、昭和の時代、東海道では毎日、トラックが崖から転落していた事さえニュースにもならなかったとの事。日々ネガティブなニュースが世界を覆っており、世界はディストピアに向かっている様に錯覚します。実際は如何か。増加する人口比では戦争の死者数、刑事事件、交通事故の死者数も相対的には減少。平均すると世の中は余裕を持ち、社会が不正を許容するハードルが上がり、デリケートになって来ている感があります。ウクライナ戦争の死者数も数人、数十人が報道されていますが、過去の大戦時とは桁が違う様。戦闘員以外を攻撃する事が当たり前であった時代に対して、今は軍事施設以外の攻撃は世界中から顰蹙を買います。スマートフォンで世界が「従軍記者」となり「動かぬ証拠」を捉えています。現在、米国の大学で学生や教員達のイスラエル支援への反発、パレスチナへの連帯を示すデモが盛んになり、英国から欧州へと広がりを見せています。インターネットで世界が繋がった現在、瞬時にして各レイヤーで必要な情報が共有されます。人民、国民のレイヤーでは、嘘を見抜き、ある種の連帯を形成します。

一方で、事実、地球温暖化、エネルギー資源の枯渇、人口の爆発的増加と、限りある資源に対して限りない成長を求める市場経済の限界と矛盾が露呈しています。国境は軍事境界線。経済、国家、軍事の各レイヤーに対して、人民、国民のレイヤーとは それぞれに揺らぎが生じています。今は部分調和でなく全体調和、目指すゴールと価値観を転換するターニングポイントにあるのかも知れません。現在、先進国、BRICs/グローバルサウス、それぞれが納得するバランスで「SDGs」のゴールが設定されています。素晴らしい事。但し、その各要素が目指すゴール間には矛盾が生じている様です。

混沌としたこの時代に、世界の人民、国民間でのメッセージの共有は大変重要な事かも知れません。マーケットの有無は別として、我々コンテンツビジネス、所謂「メッセージ産業」の役割は、この様な時代だからこそ更に重要になってきます。

ミクロの話。

インターネットによって生じた変化1) 現在、デジタル・コンテンツのマネタイズが難しくなってきていると言われます。クリエーター達が創作した音楽、映像、画像は無制限にコピーされ、「モノ」の時代と比較し単価が安価になり、サブスクリプション(サブスク)では情報として無償に近く消費されつつあります。一方で、インターネットの登場により縮小に転じていた音楽市場が再び現在、上昇に転じたというデータがあります。サブスクのサービスの成長によるものです。国内ではその実感がありません。サブスクはプラットフォーマーの事業であり、各種権利者への還元単価の安さ、或いは市場に於いて過去と比較して新作より既存作品のシェアが大きくなっているからかも知れません。

当社は現在、コンテンツ・ビジネスの軸を「フィジカル」にシフトしていますが、いずれにせよ、拡大する「デジタル」のコンテンツ市場に於いても更に、一度は崩壊したマネタイズの仕組みをクリエーター本位に再構築する必要を感じています。

我々の目指すライツ・マネジメント事業、コンテンツ・ビジネスは、世界に共有され、時代に必要とされるメッセージが新たな才能によって生成、再生産され続けるマネタイズの市場を再構築する事が必要です。現在、我々は、コンテンツの創作、マネタイズのモデルへ種々のチャレンジを重ねています。この領域では、デジタル、フィジカル共に、あらゆるサービス分野、市場がライセンス・ビジネスの対象となるものであり、発想と企画次第で無限大の進化、発展の可能性があります。

インターネットによって生じた変化2) 現在、「世界が近く」なっています。各国、各エリアの国民、民族の生活、文化が時代のフィルターを通してグローバルに訴求しています。「モノ」の時代、ポップ・カルチャーに於いては、英語圏が圧倒的な世界シェアを獲っていましたが、今は徐々にグローバルな文化の分散化とローカリゼーションが進んでいる様です。

時代の試練を経て継承されたものにはある種の普遍性があります。常に、新たな時代を創るものは熱量の大きいコア、B級のものが時代のフィルターを通し、ムーヴメントを引き起します。現在、当社は「和」のコンテンツの可能性を、A級のコンテンツとの「コラボレーション(コラボ)」というフィルターを通して、世界に打ち出そうとしています。一つの実験です。その第一弾は「ビートルズと日本全国 伝統工芸」コラボ120作品。現在、チャレンジを進める新規ビジネスのテストケースです。

会社の話。

企業が永続的に進化、成長していく為には、新規ビジネスによるイノベーション、と既存ビジネスによる盤石な事業基盤と、両面が必要です。勿論、既存ビジネスも立ち上げの時期は新規ビジネスでした。複数のチャレンジの中から芽が出てきた可能性あるビジネスを育み、既存ビジネスとしての基盤を確立します。

今、既存ビジネスの拡充に必要なものは仕組化です。仕組化は放置して自然に生まれるものではありません。人の組織、評価システム、恒常的な利益づくり、営業過程で目標設定と計画と、何より行動を持って確立するものです。現在、営業編成の役割は、ここにあります。

又、外部パートナーシップと共に社長、営業事務が進めている新規ビジネスも、立ち上がるタイミングでは営業、管理に於いて仕組化し、既存ビジネスに乗せる必要があります。但し、その仕組みに「魂」を入れるものはフィロソフィ。即ち「世界に共有され、時代に必要とされるメッセージが新たな才能によって生成、再生産され続けるマネタイズ構造の再構築を求めるベクトル」です。又、それを実践する各スタッフの当事者意識です。