CHASM」を越える 2

日本のアーティスト系コンテンツに関して、先日共有した情報です。

「進撃の巨人」主題歌のLinked Horizonや、他アニメ主題歌のAdo、YOASOBI等が、世界中で聴かれる様になっています。当社が、配信やマーチャンダイジング用のライセンスでそのインディーズ時代からお付合いするSound Horizon、Linked HorizonのREVOが、次のワン・ワードで「世界化」3の表現をしていました。「海外で聞かれたPOPSベスト5」のアーティストとして。

 この20年間で「変わったのは、我々ではなく世界の方」である。

これには、2つの意味があります。

一つは、今、コンテンツビジネスに於いて、NetfixやApple Musicなど、ネットで世界と繋がる流通と宣伝のインフラが整っているという事。

いま一つは、コア層の音楽ジャンルでは「言葉の障壁を越えた」という事。

音楽は、過去、「英語圏が≒世界」。日本語の壁というハードルがありました。今、アニメに関して拘りある創作、オリジナルなものについては、日本語であっても「世界の方から理解しようと寄り添って来る」という事です。背景に、ネット上でもAI自動翻訳の活躍等があります。

昔から音楽界や美術界でも、西洋が日本文化の影響を受けてきた話は有名です。日本の伝統、匠の技と普遍性、近年のアニメ系の拘りのコンテンツにもグローバルに訴求する力があります。日本のアーティストが長年越えられなかった「日本語の壁」を、先ず、アニメ系に於いて「海外の方が日本に近づいて来た」事により、各種コンテンツが障壁を乗り越えつつある感があります。

80年代は、今と比較し大変な円安・原価安である事を武器に、日本の組み立て産業が世界市場を席巻した時代。世界の方から日本の製品を受け入れました。(プラザ合意で、円高に振れるまでは。)今、日本のコンテンツは、海外から受け入れられる土壌ができています。「JAPANESE INVASION」元年とも言えます。

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漸く、当社も、「物流インフラ」のベースと、「キラー・コンテンツ」のライセンス、「海外へのアプローチ」の入口を掴みつつあります。先月の月初会議のレポートでも触れました。これより、一過性の運不運に左右されない、営業の「横展開」と、管理の「組織づくり」が必須です。社長が、一つ一つ既存ビジネスを整備、強化していくのでは、又、新規事業を開拓していくのでは事業はいずれ途絶えます。各部門が主体的に発想しイノベーションを起こし、体制を強化し進化していく様でなければ、組織は、事が起きれば瞬時に滅んでしまいます。

来年2024年以降、金融面で又、地政学上でも激動の時代に向かいます。

日本の国民は現在、政治に対して他力本願のスタンスの様です。若しスタッフが会社に対して他力本願であれば、サバイバル不可能です。「誰かがやってくれる」のでなく、「自らが実践する」事が必須。政治の歴史に於いて、危機的状況に陥れば、強力な指導者を求め、国民自らが立つ方向に動きます。ファシズムの興隆は、その一環です。

市場の原理に於いては、会社に対して、そこまで待ってくれません。スタッフも会社も即、退場となります。

営業の「横展開」と、管理の「体制づくり」に関して、今後、営業に於いては、「開発のチーム化」と育成、管理に於いては、常に財務体質の引き締めとキャッシュフロー管理の徹底。

更に、秀逸な人財が事業に参加して来る「循環づくり」が必要です。

1999年再建請負人ゴーン氏が、危機的な当時の日産をこう表現していました。「皆、他者が悪い、誰かがやってくれる、と評論家ばかりの蛸壺の様な状態でした。」と。

コストカッターと異名を持つゴーン氏が大リストラを断行後、漸く、日産の意識革命が起きました。

今後、100年の我々の盛衰を左右するものは、当事者として主体的な意識と行動の変化、実践の有無に掛かっています。