2023年、ICA事業のFundamentalとInnovative=世界に向けて、先ず、国内の足場固め=

ロッテとソフトバンク

コンテンツビジネス含め韓国のパワーと興隆が著しいですが、日本国内でも朝鮮半島にルーツを持つ企業家、重光氏はロッテ、孫氏はソフトバンクを一代で年商5、6兆の大企業を育てました。

創業期、一方は戦後食料不足の中で爆発する糖分需要に対してガムを提供し、一方はコンピュータ―黎明期、爆発するソフト需要に対してゲームパッケージを提供しました。一方は稼いだキャッシュフローをベースに韓国でホテル、百貨店、テーマパーク等へ業態拡大し財閥へと、一方はM&Aにより通信インフラ(ボーダフォンLBO)を押さえ、巨大IT企業の持ち株会社へと成長しました。

ロッテ創業記

ロッテは重光氏が韓国で百貨店を立ち上げる際、伯父が日本の百貨店からロッテ百貨店へ副社長として日本式商法を移植した経緯もあり、その源泉を調べてみました。

戦後、ガムのメーカーが乱立する中、品質と信用を重視した同社は数年で頭角を現し、次ステップの成長に必要な利益、キャッシュフローを得るようになります。

「自転車営業部隊」

戦後、先行する大手メーカー、森永、明治、グリコが全国に卸、流通網を構築しているのに対して、後発のロッテは、販路に入る余地がありません。新規販路を自ら開拓するしかありませんでした。

初期、成長のステージアップの切掛けとなったのは、「自転車営業部隊」。飛び込みで1日50~60件、毎日遅くまで小売店廻りを行い、独自の販売取引先を構築していきました。

関東エリアで確かな営業基盤を築いた上で、関西他のローカル流通は 大阪の大手菓子メーカーの「M&A」を切掛けに人財確保と販路開拓の活路を見出します。更に、他社との差別化として、新商品のヒット化、パッケージの工夫、ローカルエリアからの販売促進策、マスメディアでの広告マーケティング等により全国区へ販売を拡大し、最終的に「ガム」で業界最大手にまで成長しました。

Fundamental

資本政策に基づくファイナンス、「M&A」等は飛躍の過程では有効ですが、初期は先ず、自力で確固たる事業基盤を築き、一定規模の利益とそれに伴うキャッシュフローを確保しなければいけません。先ずは、利益ベースの投資による成長の「プラススパイラル」をつくる事が重要です。

現在のICAは、初期成長の「入口」にあり、確固たる事業基盤による利益ベースで、リソース投資を行う段階にあります。リソース投資は、既存事業で利益をコントロールする立場にある、営業担当、執行部によって行います。

「泥臭さ」の強み

IT業界の栄枯盛衰のスパイラルは短期で目まぐるしい変化にありますが、一方、リアルで「泥臭く」構築したビジネスやインフラは一朝一夕には衰退しません。

ソフトパッケージの卸事業で成長した後、IT投資によってソフトバンクは事業を飛躍させましたが、その浮き沈みは激しいものがあります。比較的ロッテグループは安定している様に感じます。

特に今後10年スパンでは再び、「モノ」の時代が到来します。コンテンツ業界に於いても、一時期、コンテンツ系業界最大手となったインデックス社も破産手続きに入る等、自社でシステム構造を抱えた多くの事業者は この20年の間に淘汰されました。

営業部隊

未だ初期段階ではあるものの、ICAは先ず利益ベースで漸進的に人を増やし、スペースを拡充します。投資利益の確保の為に「取引先の開拓」、「企画のプレゼン」、「取引先の連携強化」を行う営業部隊を形成したいと思います。

現在の編成は、シネマプロジェクトに於いて作品と投入商品の計画を行っていますが、極力、合理化、システム化できるところは仕組化し、「外」に向けた営業を強化したいと思います。

「編成」の計画に基づき、対販路で実際にモノを動かす役割が「ロジスティックス」ですが、「ロジスティックス」のスピードと的確なデリバリー、精度もICAのコアコンピタンスの一つです。

一方で、ICAの利益、成長の源泉は、営業「編成」にあります。即ち会社の「外」にあります。「内」に向けて如何に頑張っても事業ベースの向上には至りません。

全ての成長の源泉は、「外」に向けた営業活動にあります。

第二の創業期、成長の初期段階の今、飛躍の源泉は、あくまで既存事業の営業「編成」にあります。

営業「編成」は、主体性を持ち、利益を拡大し、「執行部」は投資の計画を行い、成長のスパイラルを創り出さなければいけません。

更に、この既存事業のFundamentalの上に、現在、仕掛けている新規事業、海外への展開があります。今の時代、事業の根底にインターネット、AIとITを据えなければいけません。タイミングを見て、その整備を行い、機会が訪れた時、事業をスケールさせるタイミングで「ファイナンス」と「M&A」を行う必要があります。

以上