新事業年度、2030年に向かい、世界の激動は新時代の機会将来を読み、準備する2
今月7月、新事業年度がスタートダッシュしました。このタイミングで、改めて世界、市場、ビジネスの流れを俯瞰してみます。
戦後、高度経済成長以降の変遷として、80年代、ある意味で、米国は日本に製造業に敗北した後、為替や関税で防衛する産業モデルから脱皮し、金融とITによる市場創出へ事業軸をシフトしました。(例えば、音楽産業では80年代、パッケージが輸出される際、モノには関税が掛かりました。一方、今、音楽のグローバルプラットフォームは、関税の対象外のデータ流通。各国、新たな課税を摸索中。)2025年の現在、関税が取り沙汰されていますが、米国行政の本質は、ビジネス面でなく寧ろ、戦争を想定して、安保上の武器製造力を自国に取り戻す事、等。
日本のビジネス上は、製造業モデル一本からの「脱皮」を要します。これら変遷の中で、世界の人々を繋ぐコンテンツ及びライセンスのビジネスは政治上も必要であり、又、ビジネス上も最も伸びしろある国策モデルとなりつつあります。
現在、ICAはマネタイズの問題で、コンテンツビジネスを「データ」でなく「モノ」を対象にシフトしています。モノのビジネスでは、今、コンテンツをインバウンドから世界に向けて、マーチャンダイジングを仕掛けます。一つは、モノ自体の輸出。今一つは、(ブラジルとのビジネスでも検討した)「現地製造によるサブライセンス」或いは「バイセル」的なモデル。
先月、月初会議で、「過去想定できない変化は一旦生じたら、世の中と常識が全く変わってしまう」事に触れましたが、
今、世界で起きている 過去に無かった異質の変化は、人間行為の代替品である「AIエージェント」の登場。AIは知覚を持ち、ディープラーニングで自己学習する様になって以降、更に生成AIが話題となり、その後の進化は加速度的です。未だ初歩段階ではあるものの、ゴールを与えると自らプロセスをマネジメントし結果を出す「人間の代理人」が登場しています。(例えば、仕事に於いて事務的な作業も、スタッフを雇用する替わりに、AIエージェントが代行する様になります。)
今後、ビジネス含めあらゆる場面に於いて、AIを前提に考え、組み立て、行動していく必要があるという事です。歴史上、人知で想定できない変化が生じています。
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ICAの実績速報として、当決算の良かった点は、編成営業のスタッフ中心にロジスティックと連携し、進捗管理を行い、数値目標を持ち、意識を持って達成していった努力の背景があります。前年は2月上映「ハイキュー!!」という想定外の大ヒットが出た事で「神風」が吹き、一気に月間1億円近くの増収がありました。当期、事業ベースは漸進的にアップしているものの、前期より減収となる可能性がありましたが、恒常的に億単位でビジネスは成長しています。
数値目標は、事業として当然ではあるものの、ある種、実践として運用化したのは当決算期が最初です。背景として、ICAのデジタル配信事業の時代はストック型のビジネスであり、営業で「発注を獲得してくる」という意識が希薄であった為、その意識の移行には時間が掛かりました。
未だまだ「地を這う」様な規模のビジネスですが、デジタルのビジネスからモノのビジネスへと、零スタートから転換し、月数千円の売上から始め、手探りでビジネスモデルの摸索からカテゴリの摸索。販路開拓、差別化の摸索を重ね、漸く事業ベースは漸進的に興隆しつつあります。
2025年前半戦として、一つの成果は、既存事業の自立化。管理、編成営業、ロジスティック共に業務上は自立し、自ら事業運営を行う様になりました。これからは、必要な課題設定自体を自ら行い、更に新規事業のイノベーションを仕掛けていく習慣(組織のDNA)と体制をつくっていきます。2025年後半戦として、直近では10月から新規でメーカー事業の組織化を目指します。
今、ICAが摸索中であり、今後も必要であるイノベーションは、ある種、新規性ある「金鉱」を見付けるという事です。
新たな「金鉱」は、時代の変化の時期に生まれます。今、我々のビジネスに関わる国内の変化は、インバウンド興隆と日本コンテンツの「世界化」です。10年前でさえ、小売現場に於いてユーザーの大半が外国人であるという状況は、想像だにできませんでした。同時に、彼等観光客は自国に戻り日本の文化に対しての理解を深め、自国で広めていきます。
又、世界に於ける変化はインターネットによるグローバル流通によって「世界が近く」なった事。結果として、日本のコンテンツは、サブカルチャー系コンテンツを中心に国境を越え、普及しています。日本のコンテンツは長く、対象市場は国内でしたが、今当たり前に世界がターゲットとなっています。
最後に、次代の変化は世界が依存してきた石油資源からの転換です。マーチャンダイジングに於いても先ず、モノによる表現には素材が関わります。ICAは、モノの世界でも意外に多くみられた非公式・違法商品に対して、簡単に真似できない、素材にこだわる「和」文化と「観光」コンテンツをモチーフに、新たなモデルにチャレンジしています。
更に今後、コンテンツの「モノ」はデジタルと融合し、新たな表現を可能とします。
以上、新たに発見するビジネスの「金鉱」によって、事業は漸進的な成長から 飛躍的な進化 へとステージが変わります。
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ここまで述べて来た事項、そしてこれまで経験してきた事をテストケース、経験、ノウハウ、習慣として踏まえつつ、第二の創業メンバーである今のスタッフは、既存ビジネスの盤石化と並行した、イノベーションのDNAづくりと、第一世代から第二世代、第二世代から第三世代と・・・第100世代への継続と継承が必要です。
ICAの変わらない軸は、ライセンスビジネスをベースに、世界に向け、正しいメッセージの生成発展の循環づくりを続ける事。又、今後は、AIをベースにビジネスモデルは、常にイノベーションへのチャレンジによって変わり続けなければいけません。